ぼくの地球を守って
」のレビュー

ぼくの地球を守って

日渡早紀

少女漫画史に残る転生もの不朽の名作

ネタバレ
2021年3月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品についてはいつかレビューしなくてはと思ってました。最近読んだ雑誌のためこう先生の特集で好きな作品とあげられていて、嬉しくなって書いてます。雑誌連載からリアルタイムでハマりまくってました。
現世では春ちゃん推しだったので、輪とのエンドでは、まあストーリー的にはそれが一番良いのだとわかってはいても、どうしても絵面的にゆるせなくて、ショタが苦手になったのはそれ以来ですね。。自分の中の絵面のモヤモヤをゆるしたくて、輪がイケメンに成長して次世代になった続編はいちおう全部読んでますが、私のなかの彼らの物語は完全にこのメインシリーズで終わってますね(続編は作者公認のパロって思いこみそうなくらいの勢いです) 。そのくらい、特に前世の物語はほんとうにほんとうに素晴らしかった。絵の振り幅が激しい作者さんなので、絵柄が安定していない最初の数巻で読むのを止めてしまうのはもったいなさすぎる。中盤、前世編のモクレンの美しさは目が潰れそうな勢いでしたし、モクレンのお父さんお母さんの儚い逃避行ももう胸が焦がれましたし、シオンとキャーが!こうやってレビュー書いてるだけで泣きそうなくらいシオンの哀しみが迫って今も心深くに埋め込まれてます。いまも日本で稲穂の海をみるたびに、故郷をもたないシオンが焦がれて還りたいと涙を流すシーンを思い出します。
前世に囚われる現世での葛藤と、切なすぎる片想いと、喪ったものへの想いと、SFの極限状況と、あらゆるものが詰まった少女漫画の歴史に残る不朽の傑作です。未読の方が羨ましいです。ぜひお読みください。
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