太陽が見ている(かもしれないから)
」のレビュー

太陽が見ている(かもしれないから)

いくえみ綾

何度も何度でも

ネタバレ
2021年3月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 購入してから読み返しを何度くりかえたことか。読むたびに深い…。楡の「俺は深山とそういうことはしたくない」と言った言葉を読み続けながら反芻し、どこに繋がるかを考え、答えはその度に違う。大事だから壊したくないから?でも、それこそが壊してしまった一言のような気がする。そして、ふたりが一生友だちという立場にならざる得ない事態になった時、楡は自覚したんだと思う。遅かったよね。お互いが本心を言えずに過ごした4年間はあまりに切ない。飯島兄弟によってふたりの周りで変化が訪れ、それはそれぞれの破局へとつながるけど、ふたりに関わる人たち全てにとって良い兆候。自分の心を見直し素直になると自ずと大事なものが見えてくる。楡が「バイバイ」と岬に言われて初めて気付いたと言わんばかりの表情。胸が痛くなった。そして、離れがたい。不安。離れてしまわないように。と岬に寄り添う姿を見て胸が締め付けられた。あ〜面白かった。きっとまたちょっと間を置いて読み返しちゃうんだろうなぁ。
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