美しいこと
」のレビュー

美しいこと

犬井ナオ/木原音瀬

切ないけど何度も読み返したくなる

ネタバレ
2021年3月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 下巻が出るのをずっと待っていましたが、原作の感想などを読んで「美しいこと」はハッピーエンド的な終わり方でないのを知っていて、さらにコミカライズのレビューもかなり切なく続編がないと思うと苦しいというのを見ていたので、購入してからしばらく読めずにいました。

でも意を決して読んでみたところ…やっぱり切ない。けどもっと松岡くんが可哀想な終わり方かと思ってたので(いや十分苦しいですが… )ラストのショートストーリーもあったおかげか、思ったより落ち着いて読み終えることができました。
最初から最後まで松岡視点なので読んでいて胸が締め付けられます。好きなのに受け入れてもらえなくて諦めてしまう、期待してまた落とされるのが怖くて、でも好きだから気になってしまうし会いたいと思ってしまう…、そういう心の機微や葛藤を深く感じられました。最後の踏切での松岡くんの涙の言葉と心の悲痛な叫びは、本当にそのとおりだと思ったし、助けてあげたいと心から思いました。

原作のノベルも読んでみようと思えるほど出逢えて良かった作品です。最後のショートストーリーでふたりの未来が少し見えてだいぶ救われました。でもやっぱり続編読みたいですね。寛末さんの隣で笑う幸せな松岡くんが見たいです。
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