ゆびさきと恋々
」のレビュー

ゆびさきと恋々

森下suu

星6個付けたいくらいです

2021年3月15日
とても綺麗な世界観です。
どの漫画でも声に出す台詞以外にもキャラクターの頭の中での考えや想いが言葉で書かれていますが、
聴覚障害を持つこの漫画の主人公、雪のこの“言葉”がすごくすごく綺麗で胸がキュッと掴まれる瞬間が何度もありました。素直にこうやって考える子なんだなと。しっかりと描かれているキャラクターと考え方や言葉がマッチしているせいかスゥーと物語が言葉が全くの違和感なく自分の中に入っていきます。

絵も好きです。やまもり三香先生の作品も好きですがこちらの作品と絵の雰囲気(特に男性)似ているような気が勝手にしています。

読みながら聴覚障害の方とのコミュニケーションについて少し学べたり、あと色や文字の表示の変化などがあることによって主人公の女の子側からの言葉の理解の仕方もしっかり分かりやすく表現されています。素直に感心してしまいました。設定を崩さず、とても分かりやすい工夫がなされています。

設定といえば、大学生の設定で良かったです。この物語が社会人や高校生の設定だと正直ここまで好きになったのか。。(結局なっちゃうか、、^^)
環境設定が職場中心でもなく、学校中心でもなく、大学生だからこそ、ここまで主人公たち二人の時間や世界にフォーカス出来ているのではと思います。余計なものがないんです。バランスが取れています。作品自体が綺麗な水のようです。

そして、二人で作る世界が好きです。二人だからこそ出来上がる雰囲気や二人の間の空気が好きです。互いを想い合う想いあい方が好きです。お似合いの主人公二人です。
男性主人公、逸臣の雪を想う気持ち、どう好いているかを言葉にした台詞の場面などどれも強く共感、好きです。

周りのキャラクター達(も、好き)は物語の中であまり出過ぎず程よい登場量で、より二人の世界に引き込まれます。

また一作品、私の心の永久本棚に追加されました。
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