可愛い僕のミア 天然貴族様の愛されメイド
」のレビュー

可愛い僕のミア 天然貴族様の愛されメイド

tsugumi

洗脳されていく響き

ネタバレ
2021年3月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 舞台は19世紀末イギリスだろうか。街から離れた館で若き貴族ユーゴは、メイドのミアと二人きりで暮らし、お仕置きと癒しの名目で事あるごとにミアを抱く。抱かれながらミアは優しいユーゴに思いを募らせていくが、ユーゴへの恋を禁じられ、苦しむ。しかしユーゴもまた、幼くして失くした実母への慕情と、自分を愛する者はまた自分を置いて居なくなってしまうのではという恐怖により心を鬱屈させ、ミアへの愛を封印していた…。
二人の日々が邪なものに終始しないのは、ミアが可愛く働き者で、ミアの持つ真っ直ぐな明るさと逞しさが次第にユーゴの心を変えていき、やがて身分の差を乗り越え、愛のある結婚に向かっていくからだ。
「可愛い僕のミア」…繰り返される響きに、読みながら私もこの世界に洗脳されていく。そしてこの言葉こそ、無意識のうちにユーゴを支え、ミアに伝えていく実母からの愛だと分かる最後のシーンに、心が震える。
いいねしたユーザ10人
レビューをシェアしよう!