ハコヅメ~交番女子の逆襲~
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ハコヅメ~交番女子の逆襲~

泰三子

警察の方へ、敬礼!

ネタバレ
2021年3月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 警察と聞くと怖いイメージがあったり、いろいろな不祥事が浮かんで「おいおい…」と思ったりしてしまいますが、この漫画を読んで警察の方の苦労がしのばれるようになりました。
恐らく作者さんは「警察も普通の人間」と言いたいのかな、と思うぐらいにボケとツッコミの応酬が小気味良い会話やお仕事の大変さが毎回どのエピソードにも描かれていて、本当にテンポ良く読めてしまいます。
ギャグが冴え渡る一方、シリアスな話はとことん考えさせられ、警察というお仕事がいかに人間の生死と隣り合わせか、人生を大きく変えざるを得ないものか、思い知らされました。
でも、やっぱり登場人物みんなスペックが高い!
「パーフェクトゴリラ」の異名を持つ藤部長、事情聴取のプロ源部長をはじめ様々な人達が登場しますが、自分なら何度転生してもこの人達のような働きが出来ないだろうな、と平伏するばかりです。
そんな彼らに育成された主人公・川合やモジャツンペアの片割れ・山田も、最初は普通と思いきや才能をぐんぐん伸ばしていき、成長ぶりにホロリとさせられます。普段は漫才コンビのようなやりとりでも、言うべきところはビシッと言えるバディ関係も、見ていて胸が熱くなります。
でも一番スペックが高いのは作者さんかも?
この作品がデビュー作で、物語の構成の完成度の高さとか、それぞれの登場人物のキャラ付けとか、ぐんぐん上達している絵とか、作品が完結する頃にはどこまで到達するのかと考えると今から末恐ろしいです。
(私は初期の絵の方が、藤部長のクールビューティーぶりが際立って好きでしたが)
また、エピソードの合間に挟まれる1コマ漫画の手書き文字の美麗さといったら!この方のペン習字本があれば、本気で書いたいです。もしくはフォントが欲しい。
物語の深部までオススメポイントを挙げてしまうとどうしても初見の面白さが減りそうなので、とにかく読んでみて!と声を出して言いたい作品です。
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