この結婚は期限付き
」のレビュー

この結婚は期限付き

ジョアン・ロック/篠原正美

絵も綺麗でドラマチックではあるのだが

ネタバレ
2021年3月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 期間限定読み放題。
大富豪の晩年の愛人の娘でデート仲介業も手がけるヒロインと、大富豪の一族マクニール家の次男なヒーローが、誤解から別れて一年後に再会。ヒロインの仲介業で起きたトラブルからの訴訟を回避するために、ヒーローが契約結婚を持ちかけるところから始まる再会愛。
マクニール兄弟の恋を描いたシリーズ(現時点では全4作)の2作目で、仲介のトラブルについては1作目の試し読みをするのが一番わかりやすいかも。
ヒーローが浮気したり女の影がチラついたりもなく、ヒロインに一途な点だけは良かったが、ヒロインの身柄を確保するために、脅迫的に契約結婚を迫ったのはかなり印象が悪い。だいたい最初の別れの時も、祖父の秘書が勝手にやったと一言で済む理由を告げなかったのは意味不明だった。自分の意思ではなかったし、ヒロインを愛してるなら、普通に口にするだろうに。そこに話のためにわざと言わせない作者の思考が見えて引っかかった。
一年反省したようなのに、その後の取り返し行動が脅迫だったり、取引じみたことばかり、愛人の子であるというヒロインの告白を受けておいての、ヒーロー父の愛人の子を拒絶する発言。ヒロインの結婚相手として見るとあまり印象は良くない。
ヒロインの方も、一度目は妊娠の影響だったからで説明できても、その後も感情的になりすぎる面が多いし、契約結婚しても一年で別れるからベットは別!とか言ってたくせに、結局雰囲気で流されてヒーローと一緒に寝続けたりと感情がふらふら。子供時代苦労したのはわかるが、ヒーロー宅の愛人関係はヒロイン宅のそれとは内容が違いすぎて(ヒロイン母は一人娘をダシに遺産を迫る財産目当てな愛人。ヒーロー父の愛人は現地妻的なもので三人の子供を作って実質夫婦関係。しかもヒーロー母が出て行く原因になってる上、今も切れてない)、それに対してヒーローが父の愛人の子を切り捨てるなんてひどいわ!みたいなことを言うのも、結局ヒロインもヒーローのこと理解する気なくて、実はこの二人、家庭環境的にも相性最悪なんじゃとしか思えなかった。
最後公共の場でプロポーズしてハッピーエンドにしてたが、このあともヒーローの無意識発言でヒロイン傷ついて出ていく→ヒーローが慌てて追いかけるを繰り返しそうで、その後の幸せがあまり想像しにくい二人だった。あと、流産のくだりを見るに、二人の間に子供が期待しにくそうなのも気になった。
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