望まぬ花嫁
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望まぬ花嫁

キャサリン・アーチャー/なかやま衣子

ヒロインのやらかしが引っかかってムリ

ネタバレ
2021年3月29日
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兄の友人で領主なヒーローに一目惚れしたヒロイン。兄がいてはまともにヒーローと会話もできないと、兄からヒーローへの予定変更の手紙を差し止めて、まんまとヒーローと二人っきりになるヒロイン。ヒーローを落とすための酒で自分が酔って寝てしまう。寝かせるために部屋を移して二人っきりでいるところを帰宅した兄やその友人らに目撃されて、ヒーローは責任を取って結婚することに。
この時点でヒロインへの好感度が大ダウン。以降、働きもののところを見せられても点数稼ぎっぽく見えるし、そこまで理知的で思いやりあるヒロインなら、騙し打ち結婚に繋がるのは薄々気づいてヒーローと二人っきりになるだろうか。なんかアンバランス。
またヒーローに受け入れられてないうちに、家政に口出して行く感じも、ヒーローの逃げ場を無くそうと外堀埋めてる感じでイヤだった。
まあ、ヒーローも最初にヒロインが酔ったところで、家人に部屋に連れてくように言えばいいのに自分で運んだのは下心はあったわけで、実際キスしてるし、ガッチリ庇う気は少し薄れるが、酒も入って理性が崩れやすい状態で、酔っ払った美女に迫られたら、独身男性がくらっとするのもわからなくもなく。結果、良い領主夫人になってくれるタイプだったからいいけど、そうじゃなかったら、ヒーロー本気で父親の二の舞だったろうから、ヒロインへよりはヒーローへの同情の方が強い。
しかし、話の都合なんだろうが、ヒーローが庶子の子にたいして構ってやってなかったのは苦しくないか。生まれた時から一緒に暮らしてる母なし子ならまず乳母か子守りつけるだろうし、その場合子守から最低限必要なものの要請とか出そうなものなのに男服で放置してたとか、ヒロインのための展開っぽくて微妙。ヒーローが完全無関心ならわかるけど、お土産買うくらいは気を使ってるしなあ。
そんな感じで展開するので、最後まで何かしらのモヤモヤが続いて微妙に楽しめなかった。
ヒーローをはめるヒロインや、女性不信をこじらせヒロイン冷遇ヒーローが許せる方は楽しめると思う。私はムリ。
活動的で献身的なヒロインはわりと好きなのに、最初のやらかしが本当ダメ。頭も回るなら普通に兄に相談して縁談に持ち込めよと思うんだよね。家格的には釣り合ってるっぽいし。そこまでちゃんと手順踏んで無理だったなら、思い詰めた結果としてこのやらかしもまだわかるんだけど。
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