運命のパートナー
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運命のパートナー

橋本多佳子/カーラ・キャシディ

確かにモヤる話だった

ネタバレ
2021年3月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 期間限定読み放題。漫画家さん読み。
ヒロインは17でヒーロー弟の子を妊娠、結婚したものの、夫は結婚前と変わらず責任感も薄く友人と遊び回る。耐えかねて9年後離婚しシングルマザーとして息子を育てていたが、ある日元夫に勝手に子供を連れ去られて、ヒーローと共に追ってくるよう手紙が届く。
結婚時に強く反対されていた経緯もあってヒーローを苦手に感じていたヒロインだが、飛行機事故で墜落、森からの脱出時や、その後の元夫らを含む共同生活の中で、ヒーロー自身やヒーローのこれまでの献身も思い出しどんどん惹かれていくが…。
二人が惹かれていく過程だけ見ると、運命の二人という言葉が似合うんだけど、その二人が会うためにヒーロー弟と恋人だったぐらいならともかくもう子供までできた状態じゃないとダメっていうのがなあ。神様の試練と見ても色々微妙。運命の間違え相手が弟っていうのも引っかかるポイントかな。息子の存在も実はいなくても成り立ちそうな話の作りなのも引っかかるのかなあ。実質、過去の結婚失敗に至らせるための結婚原因に、ヒーローとヒロインを二人にさせるための呼び出しや弟別行動のための言い訳に使っている感じ。あとはマスコット的和ませ役? あくまでも役割のためにいるって感じで作者の道具扱いに見えるのが微妙。
どなたかも書かれていたが、ヒーローがいない状態で少しは大人になれたヒーロー弟と復縁か、ヒーロー弟を出さずにヒーローとの恋愛だけを描いてもらった方がよかったかな。
最後の方でヒーロー弟に結婚したい恋人がいるってくだりも微妙だった。その恋人と夫婦になる気があるなら彼女も付き添わせるべきでは? 恋人は気弱だからとかなんとか言ってたが、もし手術がうまくいかなかったら、弟は恋人のことをヒーローにすら打ち明けてないので、恋人側は亡くなったことも当面気づかない状態になるのだが。あとで死んだと聞かされる(下手すれば葬儀後)とかその方が酷すぎない? 手術がうまくいってその余波でおめでたムードで誤魔化してるけど、夫婦になろうっていうのにそんな一方だけ頑張ればいいみたいな関係は破綻もはやそう。ずっとヒーローやヒロインに甘えてた弟に本当に可能なのか疑問が残る。
モヤッとポイントがすべて弟の楽天的で誤魔化されてるのもモヤッとするし、八方丸く収まってよかったねとスッキリ思いきれない話だった。
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