このレビューはネタバレを含みます▼
主人公が、好きになれる要素が一つもないです。
誤解しないで欲しいのは、別に性格最悪な主人公でも良いんですよ。
例えば、本好きの下剋上なんて序盤の主人公は作者公認のムカつく子ですし、無職転生の主人公は元が引きこもりだから肝心な所でクズっぽい性格が顔を出します。
でも、それらは主人公のマイナス要素を補えるくらいストーリーが面白く、かつ主人公がどんどん魅力的に成長していくから読んでいて面白いと思うんです。
この作品で最大の問題は、チート無双系の話のテンプレに思い切り乗っかったようなストーリーで、既視感ありまくりなのに、主人公が魅力のカケラもなく、成長要素もないクズだってことです。
・やれやれと嘆息するようなカッコつけ厨二キャラなのに、目的がハーレム作ることという欲望丸出しのただの助平で、ギャグなのか真面目なのかよく分からない。
・ダンジョン内で女の子目当てに助けに入ったパーティーの男が、モンスターに殴られて気絶したところ、死んでいないことに舌打ちする。
・見守るのが仕事とか言いながら、護衛対象の女の子の風呂を覗く。
・気に食わないことがあると、すぐに青筋立てながら心の中で文句を言う。
・こんだけクズでただ強いだけのキャラなのに、出てくる女の子に次々フラグが立ってて、惚れる理由が強さ以外に伝わってこないので、女の子達が頭空っぽの馬鹿に見える。
他にもいろいろあるんですけど、キリがないのでこのくらいで。
結局、主人公が最初から超強くて、人格もクズとして固まっており成長する要素がないので、多分この先もひたすら主人公がひたすらクズいこと言いながら無双するだけで、頭の弱い女の子達が次々骨抜きにされちゃうという、およそ納得のいかないストーリー展開なんだろうなと思えて、先が全く気にならなくなりました。
無料分読んで先が気になる方以外は手を出さない方が無難です。