このレビューはネタバレを含みます▼
舞台は英国王室ですが、現王はジョージ9世、ジェイムズの両親は飛行機事故で亡くなっていて、ジェイムズは王位継承権1位の皇太子という設定です。それでもこういう本が書けたのはすごいと思いました。結構頻繁にsexシーンがあります。経済記者のベンと英国皇太子のジェイムズが出会ったのは皇太子訪問先のケニア。ジェイムズが雨に濡れそぼっていたところをはじめは英国皇太子と気付かずにベンが声をかけます。初対面から惹かれあいますが、ベンがマスコミ関係者であることに気づいたジェイムズはベンを拒絶します。再会したのは3ヶ月後のチャリティディナーで。ベンが2人の関係をネタにしなかったことでジェイムズはベンを信用し、束縛されることを嫌うベンは相手が皇太子ならば後腐れなく別れられると思い、2人は秘密裏に関係を持つようになります。1巻はジェイムズが国民にゲイであることを告白する前々日までが書かれていて、2巻からはベンが皇太子のパートナーとしてマスコミに追いかけられ、ジェイムズを取り巻く環境に深く関わっていく様子が書かれています。自由や自分のキャリアが失われ、皇太子の付属物と見なされることに苦しむベンと、ベンを失うことを恐れ、王位継承権を辞退することまで考えるようになるジェイムズ。2人が何が相手にとってそして自分にとって幸せにつながるのかを模索する2巻では幾度となく涙しました。ぜひ2巻まで読んでください。読了後に表紙を見てきっと幸せな気分になれると思います。2人のこの後も読みたくなります。続編を書いていただけたら至上の喜びなのですが。でも2巻まででも十分満足できました。お値段高いですが、大ボリュームです。あとリバありです。
1巻 2019年11月 390ページ 2巻 2020年12月 520ページ 挿絵あり。