光の雨 ―原罪―
」のレビュー

光の雨 ―原罪―

かわい有美子/麻々原絵里依

硬派でシリアスなストーリー

ネタバレ
2021年5月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 続編は「光の雨ー贖罪」です。ちなみに今作では事件は解決していません。
「光の雨ー原罪・贖罪」は複雑に絡み合った事件を追うシリアスなストーリー。主人公は大学時代の先輩後輩、共に検事となって同じ職場で働く野々宮と伊能です。事件を追う傍ら2人の距離が徐々に近づいていく過程が慎重かつ丁寧で、ストーリーに負けず劣らず硬派なBLでした。
伊能は自身の性的指向をなかなか受け入れられず、また気付いてからは激しく自分を拒絶し嫌悪する姿が痛々しいし生々しい。だけど、そういう苦悩こそが現実なのかもしれません。一方の野々宮は好きになるのに性差は関係ないという男、そういう男が苦悶する伊能を救い上げようと必死になる姿に胸を打たれました。この2人は理性的で欲望は抑え気味、エチエロはあまりないですがそこが作品に合ってました。
BLというよりシリアスな事件物で人間ドラマみたいな作品。続編で完結するのでセット読みがオススメです。
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