このレビューはネタバレを含みます▼
「青春エンドロール113」の続編。前作で、気持ちを確かめ合うより先に、セ ックスをするようになり、忍の告白に戸惑った夏喜ですが、忍に対する気持ちを自覚して晴れて恋人同士になった2人。今作では、始まりからラブラブです。そんな2人の前に、中学の同級生「ノビ多」登場で、「おぉ!?当て馬か!?」と思われましたが…、そこは、かもめ先生らしい、ほんの少しのハラハラ感と、でも嫌な気持ちにはならない展開で、結局「ノビ多いい子やん!好き!」ってなりました。今回のストーリーの主軸は、夏喜が所属するサークル「映画研究会」が映画学校の自主制作映画を手伝うというところで、その映画の監督がノビ多です。映画を制作する過程で、夏喜もノビ多も少しずつ成長していく姿が見られ、夏喜とノビ多を通して、忍も将来を意識していきます。定かでない、見えない「将来」に対する不安や淡い期待、そんな曖昧な時期特有の感覚がとても良かったです。映画も本も、あるいは風景なんかも、見る時期や隣にいる人で確かに感じ方が変わります。いつか、団地を離れるかもしれない夏喜と忍の目に、113棟はどんな風に映るのかなーと、この先の2人の物語も知りたいなって思いました。