すべてはこの夜に
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すべてはこの夜に

英田サキ/笠井あゆみ

不器用攻×平凡 義弟×義兄 の2カップル!

ネタバレ
2021年5月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 英田サキ先生のその他の作品を拝読させていただいた後に読みました。この本に収録されている6作品のうち『すべてはこの夜に』『夏の花』の2作品はプロになる前の作品で、それをほんの少しだけ改稿したものとのこと。読んでみて納得、まさしく英田ワールドの原点と言える内容でした。様々なシーンがDLやエスに通ずるのです。読んでいてユウトと椎葉が頭にチラつき有頂天外。
『すべてはこの夜に』は、湊×加持の話です。拳銃、闇金、ヤクザという重苦しい背景。育った環境のせいか不器用な性格の湊がただひたすらに加持を愛す話。でも十年前に加持に捨てられたと湊は思っているので愛を与えるけど、愛されたいとは願わない。寧ろ憎まれたいなんて本気で願ってる。
そんな歪んだ愛情のまま加持の身体を求めてしまうので更に関係がこじれます。加持には「俺を抱くのは嫌がらせだ」とまで思われてしまっている。
でもついに「この夜」が訪れます。湊の想いが報われた夜。加持が覚悟を決めた夜。加持がタクシーに乗った時は読んでいて胸が苦しかったです。でも冷たい海に入ることすら厭わない湊の強い想い。もうこのシーンは読んでいて二人はどうなるの?!とハラハラしました。
『春宵一刻』は「全てはあの夜に」終了後の話です。湊×加持の仲睦まじい姿が描かれてます。拗ねる湊が可愛くて最高。
『優しい夜の中で』は湊の過去や大学生時代の湊×加持、ふたり結ばれた後まで湊視点で描かれており、不器用な男の本音がわかって最高。
『夏の花』は武井×鈴原の話です。本編スピンオフ的ですが、メイン張りに楽しい!義理の兄弟という禁断の間柄。浴衣姿で義兄に迫るの最高。
『春に降る雪』は本編を読んでわかっていたけど悲しい物語です。二人の距離が縮まったことを表すように靖之、亮一と表現されていて最高。
『青嵐』は志郎視点です。ベッドで寝てる志郎を加持と間違えて甘々言葉を言ってしまった湊が可愛くて最高。
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