聖女のはずが、どうやら乗っ取られました
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聖女のはずが、どうやら乗っ取られました

吉高花(「オーバーラップノベルスf」刊)/じさま/

絵もストーリーも

2021年5月5日
詰めが甘いというか、雑な印象を受けました。
冒頭に主人公が「チートでご都合主義な世界の乙女ゲーム」を「ヌルすぎて飽きた」と言うシーンがありますが、なんのなんの。こちらもしっかりとチートでご都合主義な世界観の漫画です(笑)。立ち読みは面白そうだったのに、癒しの魔術といいつつ攻撃にも転じるチート魔法を持つ主人公、魔力の高い隷属魔獣、万能で進行的にも便利そうな神父、恐らく出自がいいのであろうイケメン、と1巻で揃ってしまいました。
内容自体もストーリーは堅実というか手堅い面白さがあるのに、ギャグにしなくてもいいところまでギャグにするので読んでいてうんざりしてきます。原作がそうなのか、作画の段階でそうなったのかは分かりませんが、もうちょっと丁寧に作って欲しいです。
絵は、若い主人公やイケメンは綺麗ですがそれ以外は微妙かな。特に神父は、人を描いてヒゲとシワと傷痕を足しただけ。髪も手も若者のそれです。こういうところの書き分けがうまいと入り込めるのですが…。背景はたまに変なパースもありますが、安直にトーンに逃げず誤魔化さずに描いてあっていいと思います。新刊は悩む。
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