ナースのチカラ ~私たちにできること 訪問看護物語~
広田奈都美
このレビューはネタバレを含みます▼
義母の介護。家族の誰にも感謝もされず、
週に一回訪問介護の時に、看護師に褒めてもらえること、名前で呼んでもらえると言うささやかなことが何より嬉しいという。端々のシチュエーションや家族の言動がとてもリアル。
看護師試験の小論文。自分がなぜ・何のためにナースになりたいのか、奥まで掘り下げられていて胸を打たれた。
強い憧れがあったとは言え、40代後半。家庭に入り長く就労から離れた状況から、ナースを目指す主人公の決意と行動は恐ろしく勇気のいることだったと思う。
それはどんな職業、挑戦であっても同じだと思う。
行動できたことに、拍手。
就職できたなら、舞台に立てたなら、その先の苦労はその後に考えればいいんだろうな。いやもし、目指すところに立てなかったとしても、失敗も成功も本人や周囲に必要な経験になるのだろうな、と。
いくつになっても挑戦は素晴らしい。憧れだけで終わらせない行動力に希望が湧き、明るくなる作品でした。
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