境界のないセカイ
」のレビュー

境界のないセカイ

幾夜大黒堂

設定が秀逸。凡百のTSモノとは一線を画す。

ネタバレ
2021年5月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 全巻読了。TSモノの多くは、本人の意思とは関係なく唐突に性転換が行われるという設定が定番だが、本作では医療の発達により本人の意思で性別を選べる世界が舞台となっている。つまりTSモノの多くは性転換後に焦点を当てているが、本作は性転換を決断するまでの葛藤を若い男女の恋愛を軸にして丁寧に描いており、話の切り口が全く異なるものとなっている。「性選択の自由」という発想は先進的で実に興味深い。1巻中盤までは、童貞丸出し男子高校生のハイテンションさと思慮の浅さにウンザリさせられたが、1巻終盤から面白さが加速、最終巻まで一気読みした。
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