つまさきに火
」のレビュー

つまさきに火

柳沢ゆきお

心が掻き乱される

ネタバレ
2021年5月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「僕が君を殺すまで」を読んで気になった作者様の作品。トップ・バレエ団所属のダンサー達、レジス(クラシックの帝王であるクレマンの息子)Χレジスの義弟ユーイ、オリヴィエΧモリ、ティエリーΧクレマンの3CPのお話。義兄弟がとてもよかったですけれど、やはりクレマンが魅力がありました。バレエの卓越した技術と美麗な容姿を持ち、愛や忠誠を捧げられるのに慣れきった傲慢な人。ティエリーの振り付けの才能を見抜いたクレマンは強引にティエリーを振り向かせます。「ティエリー?」という言葉と表情に、ティエリーに与えられるのなら憎しみであっても受け入れられる、そんな印象を持ちました。やはりこういうのは引きずります。落ち込みますが、義兄弟CPが父親の轍を踏まず、心を通い合わせてくれるので読後感はよいです。読みごたえのある一冊でした。
2013年1月 総194ページ 修正=見えない構図。
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