【電子限定書き下ろし短編付き】虎族皇帝の果てしなき慈愛
はなのみやこ/藤未都也
このレビューはネタバレを含みます▼
注意点として、獣人(頭が獣)✕人があるので苦手な人は購入をおすすめしません。何故に高評価なのかといえば、物語の舞台がきちんと整ってるからかなと。総じて文章は拙く(重複表現や変な語尾も多発で集中出来ない)、伏線は敷ききれないままラストにあらゆる説明(伏線回収と呼ぶには唐突)が入ります。嫁いでからの主人公くん、ラストに向かい凛とものを言い政治に絡めるところ…とかまでの物語性は良かったです。だから勿体ない。「お前だけを愛していた」を肯定する為に「実は前妻はこんな酷い女だった」のようなそれまで描かれていない設定を急にぺろっと話されて、死んでお前を妻に出来ると喜んだとか……?少し白けました。誰かを貶めて、「主人公達だけ幸せ♡」を描かれても薄っぺらになるので私はそこが合わなかったかな。それをするなら、最初からそういう腹黒い人格で描いて欲しいところ。主人公くんは好きだけれど、終始物語に厚みが欠ける。元婚約者の王子もサンプル通り、魅力に欠けます。登場人物それぞれ、悪人も善人もそれなりの魅力をもたせて読めたら凄くいい作品だったのかと。
いいね