このレビューはネタバレを含みます▼
購入を迷っていたのですが、フォローしている方のレビューが良かったので読んでみて大正解でした！ありがとうございました。
自分の店をオープンすることになった美容師トーリと、転職に成功したプログラマーのテツ。人生の転機にひと月以上の時間を「最長距離列車の旅」で北海道から九州までJRに乗って2人で旅するお話です。
緻密な取材をされたんでしょうね、列車や旅情報に美味しそうな駅弁にと、読んでいるこちらもひと時旅行気分を味わえました。
人生でこんな旅を愛する人とできただなんて素敵だなぁと思うのですが、この作品は足が地に着いているので、ファンタジーじゃないんですよね。それがまた良いんです。
北海道出身のテツの地元から出発し、九州のトーリの実家まで。旅の始めにトーリからプロポーズされたテツの戸惑いが長い旅の間ぐるぐるしています。トーリとテツの育った環境や性格の違いがしっかり描かれていて、テツの迷いに共感してしまいます。
最初から最後までドラマティックな展開があるわけではないのですが、私、すっごく泣けちゃったんですよね。
ひと月余りの旅が自分たちの人生の芯のようになって、そこからまた始まる。
本当に読んで良かった作品です。心からおすすめです！
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