このレビューはネタバレを含みます▼
『やさしい悪魔』→『やさしい悪魔の物語』→本作となっています。メインキャラクターの一人であるベンベラが主人公となります。前作最終巻で人間の夢に残ったベンベラと、その夢の主であるユーリアの物語です。さて、お話の内容は読んでいただくとして。やさしい悪魔ファンなら誰でもやさしい悪魔兄とナナイロがくっつくことを願っていたでしょう。前作最終巻にてその夢は叶ったわけですが、その先をもうちょっと詳しく知りたいと思うのがファン心理というもの。それがこの本で少しだけ読めます。ベンベラの物語なのでほんの少しですけど。しかし、ラブラブな二人に違和感しかない(笑)いや、お互いを激しく愛し合っていることは20年もの歳月をかけて完結した本編で知ってはいるんですけどね。なんというか、両片想いがデフォなので、ラブ感満載だと落ち着かない(笑)でも幸せになっているようで良かった。そして悪魔の中の悪魔、ベンベラがまさか人間を愛すとは。あれだけ悪魔らしい悪魔だったので、これも少し違和感がありました。考えてみると人間の魂を花火にしたこともあったし、かわいい女の子に意外と感化されやすいのかも?本編ではやさしい悪魔とナナイロの邪魔ばかり、悪魔らしく人間嫌いなベンベラが、最期は人間を想って死んでいくというのは切ないなと思いました。それは報いなのか、はたまたようやく手に入れた幸せなのか…。