侯爵への叶わぬ想い
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侯爵への叶わぬ想い

マーガリート・ケイ/原田万木子

確かに微妙な話だった

ネタバレ
2021年5月17日
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隣人同士の侯爵子息ヒーローと貴族令嬢なヒロイン。出会ってすぐに惹かれ合うも、お互いの家庭環境が影を差し、結ばれそうな機会が訪れる度に、ヒーロー側に瑕疵があったり、ヒロイン側に瑕疵が出たりで、なかなか結ばれない二人が最後にようやく結ばれるまでの十年に渡る物語、かな。
皆さん書いているけど、とにかく時系列がわかりにくい。一応年代書いたりしてるんだが、漫画でそこまで年代覚えながら読まないから、今が現代の話なのか、過去は過去でどういう順番で出来事が起こったのか分かりにくくて困った。
家のことを考えるなら、たとえヒーローが放蕩者だとしても土地が隣り合った貴族で、男の方が身分が上なら、ヒーローとヒロインを結婚させる方が、結果として双方の家の発展にはいいと思うんだけど、ヒロイン両親が反対するのが意味不明だった。ヒロインが子供産んだら外戚になれるし、離婚でもしない限りはお得な相手だと思うんだが。家のための政略結婚ってそういうものでは? 更にお互い思い合ってるなら尚好都合だよね。娘可愛さの反対かと思えばのちにヒロイン夫のDVを聞いても娘を追い返そうとする親だし、親の思考がわからない。ヒロインが一人娘なら家として評判は気になるだろうが、姉弟複数いる中の一人が放蕩者と結婚したからなんだというのか。兄弟に一人変わり者がいるなんてよくありそうな話故に、ヒロインの実家が反対するくだりが終始スッキリ行かず、結局作者が結ばれないように屁理屈作ってるだけなんだなと思えて話に乗り切れなかった。
ヒーローもヒロインもお互い好きあっていたし、親の反対以外たいした障害もなかったくせに、警告されたらヒーローは尻尾まいて退散。ヒロインは悲しみつつもあっさり受け入れ。その後、とことん不幸な境遇にまで落ちないと戦おうとしないあたり主役二人どちらにも魅力がなかった。特にヒーローはあらゆるシーンで気概がなくて楽な方に逃げてばかりでカッコ悪い。
最後はヒロインが離婚できないまま駆け落ちの、ヒロイン夫が離婚に応じる時間待ち。そこまで行き着く前に、それこそ結婚前に付き合ってたときにでも、駆け落ち婚でもしとけばよかった。無駄に遠回りしただけ。成長のために必要な出来事だったと思いたくても、いい歳になるまでかけて見せた成長がこれだけかという感じで微妙だった。
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