悪魔を愛したシンデレラ
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悪魔を愛したシンデレラ

タラ・パミー/山本鹿乃子

ヒロインはこのヒーローの何がいいんだ?

ネタバレ
2021年5月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 期間限定読み放題。
ヒロインが祖母の死後に見つかった手紙の相手に連絡を取ったら、相手は祖父でしかも億万長者だった。実の孫とわかった祖父が暴走してヒロインに過保護を発動し、祖父の事業の後継者と目していたヒーローを婿に据えようといらんお節介をした結果、ただでさえヒーローの勝手な思い込みで拗れた関係が余計にこじれたという話。
とはいえ、こじれた要因はヒーローにも多大にあったわけだが。抜け目ないヒロイン祖父がヒロインに騙されてると決めつけていたのもヒーローの洞察力のなさが表出してアホっぽかったが、事実確認する前に面と向かってそれをヒロインに告げる短絡思考ぶりにこれで優秀な後継候補かと呆れてしまった。そんな態度を取られて、それでもヒーローを好きと思えるヒロインにもドン引き。これなら男に騙されるのも当然で、そりゃ祖父も心配するわな。でも、それで選ぶ相手がヒーローとかどう考えても見る目ない。さすが離婚歴があるだけあるわ。そういう意味では登場人物の状況を混乱させる言動は全て筋が通ってるんだが、全員アホにしか見えず、最後まであきれながら読むしかなかった。
最後の方もなあ。ヒーロー母の言動は夫に自 殺された過去をもつ苦労した女性とは思えない心ない発言ばっかだし、ヒーローは愛を告げられたら自分なんてと尻込みして逃げるし、後悔して追いかけてきたかと思えば言いたいこといって帰ろうとするし、なんだこいつら。こんなヒーローと母親だから元妻はドラッグに走ったんじゃないのとしか思えず、ヒロインの未来も暗澹として見えて、これでハッピーエンド?としか思えなかった。
ヒロインはまだ年若い(23歳)ので、人生経験的にやむなしなところも感じるけど、いい歳した子持ちヒーローはねえ。流石に色々アウトすぎた。偽装恋人やってて他の女と逢引きしようとしてたのも、立場考えたら記事になりそうだと思うのに実行考えてたっぽいとことか、娘が寝てるところでヒロインに手を出そうとしてたところもキモかった。ほんと魅力が外見だけで、ヒロインがヒーローを褒めても最後まで全く共感できずに終わった。
この漫画家さんの担当作を見るのは二回目だけど、前見たのもヒーローの人格が途中で変わって微妙だったが、こちらは輪をかけて酷かった。絵は味があって好きなんだが、もうちょっとまともなヒーローの出る担当作はないのだろうか。ツライ。
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