切なくてエロい甘美な世界

ネタバレ

2021年5月18日

このレビューはネタバレを含みます▼ 大好きな作家さん。10年以上前の作品の完全版ですが、キャラの魅力と綿密に造り上げられた世界観が素晴らしく古さを感じさせません。
表紙絵もカラー絵も本当に美しくてうっとり！

エネルギー問題がきっかけで激しい貧富の差が出来てしまった未来の日本。
天才研究者で人間嫌いの銀閣博士の元で、博士に憧れ博士と都市再生の研究がしたくて助手になる茅ノ谷。茅ノ谷の本来の目的からはかけ離れ、富裕層向けの大人の玩具制作のモルモットにされる茅ノ谷が不憫だけど、博士の為に頑張る姿が健気で本当に可愛い。
そして茅ノ谷に対して少しづつ人間らしい感情が湧き、機械に攻められ乱れる茅ノ谷に揺さぶられて動揺しだす博士の様子が楽しい！コミカルでエロ大盤振る舞いのお話の中、後半グッとくる切なさや愛しさが胸に迫る展開になり、1冊で色んな感情を楽しめました。
博士の縋るような初めての恋心が美しく描かれ、デレッデレの溺愛っぷりも可愛い笑前半のモルモットという無機質な関係があったからこそ、後半のこの甘さが何倍にも感じられるのだと思います。18 禁の修正具合も細い白線1、2本で満足！老後の営みについても研究されてたし笑、末永くお幸せに！