泡にもなれない恋ならば【電子限定特典付き】
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泡にもなれない恋ならば【電子限定特典付き】

三月えみ

恋の駆け引き

ネタバレ
2021年5月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 自己犠牲をコンセプトにしたポスターを作る小林。こだわりが過ぎて、部署から浮いている。いつも愚痴を聞いてくれる、前会社で同僚の石原。本当は一緒に転職するはずだったのに石原は来なかった。その理由を小林は後から知った。今作ってるポスターと回想がリンクする。おすそわけとやらで人に見られてる中で結ばれる二人。
小林のロマンチストさが切ない。精一杯みえはってお前ならいいかなって言ったのに、
石原は小林の思いをはじめから知っていたなんて。
神様は村役場の話で3つ入ってる。1つ目は死んだ職員に好かれていた鳥海が彼の幽霊を見るようになる。作業着に麦わら帽子で素敵な神登場。
鳥海は関係を持っている人がいて幽霊に罪悪感をもっている。神が幽霊を真夏の白昼夢であったように幕引きをする。
2つ目は役場にバイトに来ている旭と、その専門学校の教師穂高の話。
「やめなさい、神が見ている」のポスターが素敵。
失恋し泣いている穂高を見て、二人の関係が始まる。穂高が拗らせていて、旭と別れようとする。神が穂高のしがみついているものを指摘し、旭がそのやさしさと強さで壊す。
3つ目は神と同僚の荒島の話。荒島の片思いナレーションから始まるが、
神が男らしく「付き合おう」という。荒島が「お前はみんなの聖域だから」と断る。二人の高校時代のエピソードが入り、神にとって荒島こそが神であることが読者にはわかる。荒島に言ってあげないけど「そんなものお前が汚してしまえ」とキスで締めるところがカッコイイ。
いい子の話は叔父と思春期の甥の話。軽くてよい。
昔暴走族でしたが今普通の人ふぁぞろぞろ出てきて、若者を校正させます。
おまけの話の神と荒島さん。朝日浴びて俺の隣に神が寝てたら、こちらは耐えられないよねとうなずいてしまいますよ。
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