このレビューはネタバレを含みます▼
「獣王陛下と砂かぶりの花嫁」で小石川先生を知ってセールで作家様買い。これは2012年の作品なんですね。
絵が今とは随分違うのですが、これはこれですごくいい!
特に鳩谷教授の猫背が!これもいわゆるファンタジーですね。これ読んで思い出したのが森見の「ペンギンハイウェイ」。話は全く似てないのに不思議感が似てる。でもこっちはハッピーエンド!
大ボリューム244p、表題作のみ!
教授の背中の秘密、こじか君の身に起きる異変の数々。街で起こる不可思議な事件。目眩がしそうな不確かな世界。
先生の「獣王陛下と〜」や「食べないの?〜」とはひと味違ってアリスがウサギを追いかけて行く感覚。
絵も緻密で美しいんですよ。鳩教授の服の変遷が、もう恋心そのまんまで。言霊の設定がもう少し生きていて世界観がわかりやすければとも思いますが、このわからない世界に浸っているのが心地よい。
迷宮に迷い込んだ気分が読後も続く、小鹿と鳩の恋物語です。どうかどうか最後のページまで読んで、悶えてください。たまりませんから、これ。