エンドレスワールド 新装版
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エンドレスワールド 新装版

蛇龍どくろ

や…これは隠れた名作

ネタバレ
2021年5月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ BL要素は確かにあるけど、話の中心は亡くなったトシミツの「不在」。その空いた穴をうめるように遺された2人が肩を寄せあって関係を築いていく様がとても自然で、切なく温かい。

トシミツの薬物による幻覚の描写は秀逸。げっそり痩せていく感じや皮膚の痒みを描いているところなどもリアル。作者さんはかなり薬物について調べて描いている気がする。

非常にヘビーな中毒描写で、ただの甘いBLではないけれど、薬物の怖さと大切な人を失う悲しさ、そして遺された者の再生を描いた力作。不思議と読後感はとても温かい。
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