お狐様の異類婚姻譚
」のレビュー

お狐様の異類婚姻譚

糸森環/凪かすみ

引っ張りすぎて残念

ネタバレ
2021年5月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 結末が分かりきっていても読まされてしまう魅力って必要だと思うのですが、シリーズを長引かせすぎて、読ませる魅力が尽きた残念な印象。表面上の騒動の後ろに、必ず根源となる謎(神かくしと雷王)が隠されている2重構造のミステリーも4回続くと飽きます。毎回頭でっかちに恋をこねくり回すヒロインは、読み手を疲れさせるだけで、逆にこうまで時間をかけると、人としての情に説得力が無くなる。妖には無い人の輝きって、刹那的な感情で全て投げうってしまえる献身じゃないの?雪緒は、お返しが確信出来るまで決して差し出そうとはしない。なんでや感。説得力を持たせるために、彼女の心情を表現する文章はますます複雑怪奇になり、最早何を言いたいのか分からない。作者が物語のスパイスと言っている世界観も、読み難い地名、催事のオンパレードで、巻を追うごとにストレスの域に達してきます。もう続きは読まなくていいかなって。
いいねしたユーザ11人
レビューをシェアしよう!