異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです
」のレビュー

異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです

五里江剛一郎/友野紅子

主人公の描写が腹立たしいほどに上手い

ネタバレ
2021年6月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 3巻まで。

転生・異世界もので、太った女の子の作品はいくつか知っていますが、ここまでダイエットに特化したものは初めてです。名前がふざけていてネタっぽいですが、患者(主人公)の描写が真に迫っていると思います。

ダイエットとはきついものです。世間ではあまりそういう言い方をしませんが、必要以上に食べてしまうのは、一種の中毒症状だと思います。

主人公を見て、方々に迷惑をかけ、母と自分の追放がかかっているのに、リバウンド野郎(多分敵側の人間ですね)にそそのかされたら、簡単にフリットに手を出そうとする。本当にバカな天ぷら娘だと思うかもしれませんが、ジャ〇キーというのはそういうものです。

わかっているんだけど、うそついてでも食べたい。他人にも自分にも。そういうものです。

ライザップが流行ったのは、すぐに流される自分をマンツーで戒め、管理してくれるからでしょうね。それでも失敗する人、リバウンドする人が多数いますから、過食は怖い中毒です。

と、前向きに評価して3巻を迎え、読んだら、結局またドカ食いしてしまいました。すごく裏切られた気分です。自分のために協力してくれてた人が、自分の思い通りにいかないからと言って、人のせいにしてまた食べる。

読者として、この主人公は見放したいと思います。とても不愉快な作品でした。
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