このレビューはネタバレを含みます▼
気がつくまでに三年。気持ちを伝える手段がお手紙。すごく園木くんらしいなと思いました。高校時代、完全に受け身一方、保守的…なんなら壁を作ってた園木くんだけに、その彼がアクションを起こしたということに、真嶋くんへの気持ちの深さを感じました。
園木くん、ずっと心どこかにあったんですね。真嶋くんのことが。新しい生活を営む上で、時には忘れていることもあったでしょうが。時々、痛む虫歯みたいに、ふとした拍子に真嶋くんのことが脳裏をよぎったりしてたのかな…。誰かに好意を寄せられたことで自分の気持ちを自覚するっていうのも、園木くんらしかったです。
ラストの引っ越しの片付けを終えた時の園木くんの台詞が、すごく好きでした。
「 楽しかった 」ぽろっと自然に口から出た言葉。真嶋くんを1日見てた、ただそれが楽しかった。そんな理由。読んでるこっちがむず痒い~(*´艸`)
好きな人と一緒にいられる、ただそれだけで幸せとか…中学生(笑) って言うか、人を好きでいる気持ちの原点ですね。欲もなく、ただ一緒にいる、それだけで満たされるっていう。
ほっこりあたたかい気持ちになれました。何気ない日常のやりとりの中にある愛情を、ずっと見ていたいです。