チョコストロベリー バニラ
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チョコストロベリー バニラ

彩景でりこ

面白い

ネタバレ
2021年6月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 3Pものといえば攻め二人が受けを溺愛ってのが多いけど、これは凄い独特な世界観で面白かったです。
恋人までもを共有するという歪んだ価値観を持ち、依存しあう攻めの拾とタケ。
拾に恋をし、拾と離れたくないがため、その価値観を嫌々ながらも受け入れる受けのミネ。
最初はミネが可哀想、攻めの奴らクズとしか思えないんだけど、拾のためなら全て受け入れるミネに、タケが、今まで共有してきた拾の恋人に抱いたことない感情を持ちはじめ、それを拾が敏感に感じとることで、攻め二人の感情が大きく揺さぶられていく様が面白い。

タケの感情は初めての恋でもいいけど、でもそれは自分以上に拾を大切に思う奴が現れたという拒否反応からの恋だから、ミネの感情がタケに向いたら冷めるだろうと番外編に作者様がかいていて、なるほどと思うと同時に、ああ、タケのミネに対する感情は恋でいいのかと納得もした。
タケが拾をブレずに愛するミネに恋をしたということは、拾の存在なくしてタケがミネに恋することはありえなかったわけで
ミネも、身体はタケの方に反応するが、恋しているのはあくまで拾にであってタケに恋することはない。
番外編でミネはタケをマブダチみたいなと言ってたので、タケの恋は実ることはないだろうけど
実ったら終わるというか、実らないからこそこの三人のバランスが成り立っていると思うので(ていうかミネはタケも、拾に恋してると思っている)
ミネにはずっと、タケの恋には気づかないでいて欲しいし、気づかないまま、拾を愛し続け、タケのことも丸っと受け入れ続けて欲しい。
とにかく何度読んでも飽きることのない、魅力的な3Pものでした。
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