カーストオメガ 帝王の恋【特別版】(イラスト付き)
華藤えれな/八千代ハル
このレビューはネタバレを含みます▼
カースト最上位の帝王で義兄のイーサン(α)と、彼に憧れ彼のいるパブリックスクールに編入した尚央(α)のお話。
オメガバース×パブリックスクール×義兄弟と面白そうな要素満載な作品。
さらに昔好きな作家さんだったため、期待して購入。
結果、どうしてこうなった感満載な作品でした。
序盤は現在の2人の立ち位置、2人の出会いが丁寧に描かれていて、とても物語に入って行きやすくなっています。
ただ、序盤にページを割きすぎたのか、後半は駆け足どころか猛スピードで駆け抜けた印象でした。
イーサンが事故に遭って生死不明のあたりからは男だらけの(一応1人女性もいたけれど)ハーレクイン状態。
設定が盛り盛りすぎて収拾がつかないくらいの泥沼でした。
とりあえず作者の思っている着地点に持っていくためとしか思えない話運び。
イーサンは尚央の結婚のニュースで怒りに打ち震えたと語っていたはずなのに、数ページ後の教会でのシーンでは急に「俺は尚央の神だ…」発言。
180度方向転換したきっかけはどこにあったのでしょうか?
完全に置いてきぼりを食らってしまいました。
こんなことなら最初の子供時代のエピソードを半分くらいにして、後半のドロドロをもっとしっかり書いて欲しかったです。正直子供時代のエピソードは無くても問題なかったと思います。
最後のおまけ小説も謎。
イーサンの出られなかった卒業式を今ここで…という感動的な流れが、なぜとことん奉仕(エロ)という話に?
尚央も「うん」って意味がわかりません。
こんな感じで主役2人もあまり共感できない人物だったので、物語の不足感を補えるようなものでもなく残念な印象のまま終わってしまいました。
あと、地の文にひらがな表記が多すぎて、逆に読みづらい部分が多々ありました。
以前からこんな感じの作家さんだったんでしょうか?
昔好きだっただけにちょっと残念でした。
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