【ラブコフレ】忍ぶ恋ほど -好きすぎる旦那さまに溺愛されてます?-
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【ラブコフレ】忍ぶ恋ほど -好きすぎる旦那さまに溺愛されてます?-

鶴来いちろ

いい腹筋だ

ネタバレ
2021年6月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 途中まで読んだ感想ですが、なかなか女性の心をくすぐってくる作品です。特に色男の腹筋は一見どころか百回繰り返して見る価値ありです(←ここ大事)。
内容は、笑顔と気立ての良さが売りの非才なくノ一のあやめと、里の内外でその名を馳せ畏敬の念を抱かれている希代の忍び・正真の恋愛モノ。よくある設定ではありますが、二人の生い立ちや性分を考えると純粋に応援したくなります。
親も才も持たないながら捻くれることがなく、欲しいものは眺めるだけで満足してきた健気なあやめと、少年時代に実父から過酷な任務を課せられ人の汚れを見過ぎたあまり一度は疲弊してしまった正真――二人が互いを求める時に読者に見せる内に秘めた“欲”に心をぐっと掴まれます。
また、心や体を通わせ合う時の情景の描き方が個人的には好きです。
正真と結婚することが決まっても自分の片想いだと思い込んでいるあやめが、もし自分と彼が両想いだったらしてみたい恋問答を布団の上で夜中に思い描きます。
「花を盗りにきた」と正真が言い、「あなたに盗ませるのはしのびない。私の花を差し上げましょう」と答え、天井をそっと開けて忍び込んできてくれないだろうか。
そう独りごちて仰向けになった瞬間、天井の一部が僅かに開いて「花を盗りにきた」という声が闇の中から降ってくるのです。
恋愛における感情表現を苦手とする正真の艶のあるシーンが見られます。
他にも、あやめの水浴びを正真が陰から目の当たりにした時、成熟した裸体を見つめながら、稲穂柄の着物(あやめは米が一番好きです)を着た彼女を「嫁にとりたい」と自覚する場面や、イチャイチャしている際に正真が額をすり寄せてくるのを、『大きな生き物に甘えられてるみたい』とあやめが内心で思う場面では、恋をした相手に捕らわれる心情を堪能できると思います。現実の恋に疲れたけど恋に落ちる感覚を追体験したい人にお勧めしたいです。
最後に推しておきますがやはり作中人物の腹筋が素晴らしいです。くどいと思われるかもしれませんが、この作品では性描写を上回るほど腹筋が刺激的です(あくまで個人の感想です)。特に6巻9~11ページの戦う男の肉体を見て下さい。怒りを露わにした正真の荒々しい動きが雄々しさを表現していてより高揚感を与えてくれます。二次元における腹筋フェチにはたまらない一作だと太鼓判を押してお勧めできます。
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