商社マンの異世界サバイバル
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商社マンの異世界サバイバル

五條さやか/餡乃雲/布施龍太

言葉が話せないのが味です

ネタバレ
2021年6月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最初は40億当たるやつのパクリかと思ってたんですが、内容が全然違いました。せっかく当たった10億も、転移しっぱなしで戻れないのでは持ち腐れです。

チートも少なく、言葉も話せず、ちっとも強くない主人公ですが、鑑定と鍛治のスキル、そして地味に役に立ってる料理の腕前を使いこなして、元いた世界でやろうとしていたスローライフを続けています。

主人公は相変わらず弱いものの、それでもできることが増えて、貴族にも目をつけられ、だんだん色んな事に巻き込まれていきます。

そんな対人恐怖症(でもリーマン時代のスキルでコミュ障ではない)で傷つきたくない症候群の主人公が、転移した異世界で、人とふれあい向き合う事の素晴らしさを理解し、成長していくという、ヒューマンドラマです。

嫌なお貴族様は改心し、お貴族様の息子はラスボスでしたが失脚し、しかもその彼まで更生させるという、結果的に悪者が出てこない後味のいい作品です。

小説と並行してずっと連載してくれれば良かったのに、終わってしまったのはとても残念です。
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