このレビューはネタバレを含みます▼
ダンサーの夢を諦めNYから遠い街でバーテンをするオズと、アーミッシュの青年テオのお話。アーミッシュの青年に成人洗礼を受ける前のモラトリアムのような期間があり、それをラムスプリンガと呼ぶのを初めて知りました。そのラムスプリンガの期間に都会に出てきたテオは、オズと出会い恋に落ちる。このテオの変化がとてもいい!ラムスプリンガが終わる時オズと生きて行きたいと選ぶテオは、天使だった頃のテオよりもずっといい表情をしてると思います。だけどオズは臆病で、すぐにはテオの気持ちを受け入れられなかったその気持ちもわかります。家族を捨てさせるのも、綺麗なものを壊すも、その原因が自分なのは怖いですよね。だけど、オズの中でテオはどうしようもないくらいに大きな存在になっている。一度は別れる決心をしながらも、ブロードウェイのプロデューサーに背中を押してもらい夢に挑戦するのと同時に、テオを迎えに行くオズに拍手!!!苦しんでいた父の記憶を変えてくれて、また夢を追おうと思ったオズ、彼を変えたのはテオだし、テオがラムスプリンガで知った感情に従って、自分の気持ちに素直に生きようと故郷を捨てる決心をさせたのはやっぱりオズで。ふたりの出会いがまさに運命だったんだろうなぁ。もう一度夢を掴もうとしたことと、テオを諦めないと思ったこと、これは今までのオズからするとすごい決心で、それはテオと出会ったからで・・・。一緒にNYに向かうまでの二人の変化がとても自然にそして魅力的に描かれていて、他のレビューにもあるようにまるで上質な映画を観ているようです。ところで、テオの幼馴染?のダニーはテオが好きだったんだろうなぁ。だけどダニーは兄のこともあるし、何も捨てられなかったんだと思う。だからテオが残ることに固執したんですよね。でもそれもまた運命だと思う。どれが正しいとかなくて、結局選ぶのは自分で、後悔はしたくないと思うのは当たり前。それをクロエのように素晴らしい呪い、と思いながら生きていくんだなぁ。。。。うまくまとまらないですが、本当にスゴい作品です!昔、アメリカに住んでいたときにたまに見かけたアーミッシュの方々のこと、マーケットで食べたフライドチキンを思い出しました。
どうかオズとテオが幸せに生きて行きますように。