愛と呼ぶにはまだ青い【単行本版(共通特典付)】
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愛と呼ぶにはまだ青い【単行本版(共通特典付)】

吉井ハルアキ

愛と呼ぶにはまだ青いから、だから続編を…

ネタバレ
2021年6月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『自販機』からずっと追いかけてます。すごく好き。シンプルだけど味わいのある優しい絵。決して無理のない自然体なストーリー。リアリティーに欠ける作品が多い中、もうファンタジーと思うしかない、と自分に言い聞かせるような作品が吉井先生にはないんですよねぇ…ほんと、こういうCPありそうな。クセになる作風です。

友達の境界を飛び越えて、いきなりキスをしてきたら?…
ずっと抑えてきた気持ちが、思わず行動に出ちゃった基樹。親友だと思っていた男から告白されて、パニくったんでしょうけど、巧の言葉は傷つけるよ…
とっさに出た気持ちでも、親友でも言ってはいけないな。親友だからこそ、尚更言っちゃいけないな。
わりとズバズバ斬る巧。その動揺や混乱ぶりがよくわかります。今のままではいけないのか?と思う気持ちもわかるし。

告白してしまった基樹にすれば、もう前のままではいられないし、前に進めないなら引く気持ちもわかる…切ないし、辛い。

友達でさえいられない辛さ。友達の関係さえも失うこわさ。ただ一緒に居たいだけなのに…
巧の揺れ動く感情がひしひしと伝わってきます。
告白された後も、連絡を切られた後も、追いかけるのは巧。大事な人を失いたくないんですよ。複雑な思いだなぁ…歩み寄って受け止めて、優しさに変わる。いいですねぇ。ある意味男らしい。基樹の涙が刺さります。泣きそうになる。

二人の初めての触りっこ。初めて見る親友の顔。ドキドキします。あぁ、でも最後までは、瞬間移動のコマ(笑)吉井先生らしいかな。でも、巧。良かったようです。
まだまだ青い二人だから、育む二人を見てみたいです。続編あったらいいなぁ。
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