お迎えです。(花とゆめコミックス版)
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お迎えです。(花とゆめコミックス版)

田中メカ

ぶれない作品 会社のロゴを気に入ってます

2021年6月13日
文庫版全3巻のほうで元々の「お迎えです」は既読。
こちらは単行本版にのみ収録の未読部分、2016年発表の新作部分と特別編の為に購入。
14年ぶりというが違和感など微塵もない。これは凄いこと。そして、人気にあやかった続編は駄作になるほうが普通だが、相変わらず同じテンションで楽しめた。
如何に田中先生の腕が安定してクオリティを維持できているかをまざまざ。グッと掴む所はしっかり感傷的に、クスッと出来る所は軽く緩ませ、ストーリー展開の運転スキルが高すぎて鮮やかに無理なく、景色のいい漫画を魅せてくれる。
今までもっとしておけばよかった、あの時言っておけばよかった、ずっと気づかなかった、生きている間に経験しておきたかったこと、いろいろな「未練」解消のお手伝いをするGSG社。設定が何かと面白く一筋縄でない。
親しみやすい絵柄に、おじさんや子ども、キャラ達の心の交流が柔らかい筆致で動いているので、和めるし、全体にほんわか癒し感がある。

但し、特別編、やはり特別編扱いはやむを得まい。円と阿熊が同じ大学だとか、鍋島さんのビジュアルに違いがあるとか、微妙な位置付けの作品。
もちろん独立して、1巻辺りから派生した全くパラレルワールド的に別物と捉えることで、読んでいて楽しめる。

単行本1ー5巻には、田中先生の初期作が沢山あるので、強い興味はあるのだが、文庫版と本編重複するため、今の懐状態だと、まだ他に行きたい気持ち。今回は単行本では全巻購入は見送っての第6巻と特別編の2巻。
その為、記録に、Wikiった同時収録作品情報を記しておく。
いずれも、田中先生作品で私が感服申し上げている、抜群のタイトル付けのセンスが絶妙に光っていて、好奇心をそそられる。
それに引き換えハーレクインなど、田中先生のセンスが1000分の1ミリでもあったなら、と思ってしまう。あちらは翻訳時の問題であって、漫画化担当された漫画家にはとばっちり。話の筋にしても漫画家先生方には責任無いのに、気の毒な批判もありよく大変残念に思っている。

第1巻ー変化の法則、ときわ2本松、(共に1999年)
第2巻ー無敵のハートビーター、天然求心力、(共に1998年)
第4巻ー苦いクスリに甘い嘘(2000年)、サヨナラほうき星(2001年番外編。但文庫収録)
2021/6/13 購入済第6巻ー前夜祭パトローラー(2012年)

別作家単行本で同時収録への怒りレビューを見た。他作品発表手段でいいと私は思う。
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