東の爽碧、西の緋炎【イラスト入り】
」のレビュー

東の爽碧、西の緋炎【イラスト入り】

綺月陣/亜樹良のりかず

「わんこ攻め」の意味が違う……

ネタバレ
2021年6月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ いやまぁ、これが正に「わんこ攻め」と言われたらそうなんですが……。のっけから、キツイシーンがありますので、暴力場面が苦手な人は、目を半開きにして、凄い速さで画面をスライドさせながら話の筋だけ拾うようにしたらよいと思います。
犬好きから言わせるとフィクションとは言え、「犬になにやらせとんじゃ!!」という気分ですが、犬以外にも血なまぐさいと言うか、読んでいて不快になる描写が多いので、そう言った作風が苦手な方はご注意ください。
私はそういう作風が苦手なので、獣シリーズには手が出せていませんが、龍と竜シリーズが好きなので、東西に手を出してしまいました。
おかげで、苦手シーンが来たら、薄目でサッサと読み飛ばす技術が身に着いた次第です(笑)。
龍と竜シリーズでも暴力的なシーンやヤクザな描写はありましたし、正直、次郎が野蛮で好きじゃなかったのですが、西を知れば次郎が可愛く思える不思議で、東西を読んだ今、すっかり次郎ファンになりました。じろちゃん好き(笑)。
龍と竜では、ヤクザから一歩プライベートに入ったところでの物語だった印象ですが、東西では、ヤクザ同士の物語として東サイドも進むので、ヤクザとしての動きをしている最中に颯太や竜城への気遣いや配慮、助けに駆け付けるなどのシーンがあって、面白いです。龍と竜でもう少し、事件に巻き込まれて助けに行くようなシーンがあったら良かったのに、と思っていたので、東西シリーズはエピソードとしてはとても面白いです。ただ、折々で、西ターンの残虐性が差し込まれてくるので、違った意味でハラハラドキドキしてました。
東西シリーズ1作目である前作に引き続き、この2作目では、仇敵をかくまっていた女性が登場するのですが、1作目の終わりに穏便に済むのかな?と希望を持った自分が甘かったと思い知らされる物語で、当初は同情もするけれど最後はこの女性もなかなかで、ホントに血なまぐさい仕上がりでした。ただ、元々の好みとは違うと分かった上で読んでいるのでそれをどうこう言ううつもりもないし、それでも読んでしまう面白さが、この作品の凄い所だと思います。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!