それでも世界は美しい
」のレビュー

それでも世界は美しい

椎名橙

クソガキ王と野猿男前王女の恋物語

ネタバレ
2021年6月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者の椎名橙先生には申し訳ないですが、絵があまりお上手ではない印象を初めに受けると思います…。特に人物の頭と身体のバランスがとれていなくて、頭が大きすぎたり横顔のパーツの位置がおかしかったりしていることが星を下げたり読み進めるのを辞めてしまう原因になっている方も多くいらっしゃるようです(レビュー参考)。
しかしこの作品の真髄はそんなことでは揺るがないという事を皆さんにお伝えしたい。キャラクター・ストーリーともに素晴らしい少女漫画であり自分の子どもにいつか読ませたいと思う作品のうちの1つです。内容を簡単にお伝えすると、特別な能力を持つ異国の野猿みたいな王女(ちんちくりんな男前)と、幼くして王となり世界を征服した小さな男の子(かわいいクソガキ)のラブストーリーかつ、王がたくさん傷つけてきた世界を二人で癒すお話です。美しいシーンやセリフが多くて、先生の感性にじーんとする事が多いです。例えば2人が強い雨のなか相合傘をさしている場面では「晴れだとお前はどこかに飛んでいってしまいそうな気がするが、いまは雨に閉じ込められて世界に2人きりだ」というような事を王が言うのです。(読んで欲しいので詳しく書けませんが…。)
そんなロマンチックなシーンが沢山あって 、記憶を無くしていちから読みたいくらい心が震える良い漫画です。白泉社のアプリで無料で読めるので興味がある方はぜひ。ただ毎日コツコツ読み進める系なので結局シーモアで購入することになると思います。みなさん!絵は下手なんです。それでも読んで欲しい!人の愚かさを赦す強さ、世界の美しさ、ニケの優しさ、ふたりの絆…本当に心に染みて読了感の半端ない漫画です。読んで!!
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