ハッピー・オブ・ジ・エンド
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ハッピー・オブ・ジ・エンド

おげれつたなか

リアルな現実

ネタバレ
2021年6月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ BLってファンタジー。そうゆう考えもあるけど、この作品は現実的な側面を描いてると思います。実際の同性愛ってBL漫画のように幸せいっぱいな事より辛いことの方が多いはず。千紘は普通の、いや少し古い考えの少し高給取りの家庭で育ち、疎外される。一族の汚点とまでに疎外され、恋人も愛してはくれていなかった。この千紘のパターンの人って少なくないと思う。テレビでミッツが私たちって愛人枠しかないのよ。と言ってたのを思い出す。まだおねえなら仲間が明確に存在するけど、子供のまま家族の輪から外されて育ち善悪を教えてもらえなかった環境で育ったゲイが孤独になるのは仕方ない現実なんだと。また、ハオレンは外国人で日本へ単身やってきた、コミュニティを持たない女性の子供。唯一の頼りの綱は結婚した夫だったろうけど、その夫となる人間が悪いヤツなら、外国人シングルマザーの置かれる日本社会は非常に厳しい。まず普通に働くのも採用枠が少なく、そもそも日本語は書けたのか。書けないとしたら履歴書が作れない。と言うことは昼の仕事なんて出来ない。出会う人頼み。運でしかない。頼れる人がいない故に、出会った人間が悪いヤツだったとしてもきっと頼るだろう。
夜の街、しかも裏手に行けば外国人労働者の多いこと。「不法滞在なのかもしれない」普通の日本人の私たちは少なからずそう思ってしまう。悪いヤツにツケいられ、利用されどんどんアンダーグラウンドの世界へ堕ちていく。
きっと国はそんな方々を守る制度はある。と言うだろうけど、コミュニティを持たない外国人が役所に申請に行けるのか?それまでに悪いヤツに目をつけられるのが多い現実。NPO法人とかの援助に出会う運のない孤独なシングルマザーがヤク中になり子育てを放棄。その子もまた運悪く出会う人間が悪いヤツなら、、、目見美しい主人公たちはBL補正がかかってはいるが、彼らの抱える問題はリアルな現実なんだと思う。
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