鬼子の夢
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鬼子の夢

丸木文華/笠井あゆみ

鬼とは

ネタバレ
2021年6月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作家さま買い。ややダークな世界観です。
貧しい農村に生まれ、鬼子と言われて虐げられてきた与六×人里離れた山中で1人で暮らす佐助。
与六の生い立ちや村での暮らしは本当に不幸で、佐助も幼い頃から辛い思いをしてきたのですが…
与六を鬼と厭いながらいじめ抜き蔑んだ村人、心の美しい与六、優しくて強い佐助、鬼を悪として退治する験者。
一体誰が鬼なのか、鬼とされるものは本当に悪いものなのか。
与六と佐助がたどり着いた先は普通の人々からは良しとされないものかもしれないけど、お互いを愛し慈しみ、お互いが全てで他に大切なものなどなくてある意味理想的な関係に見える。
単純なハッピーエンドではないからこそ、2人の信頼や愛情、人の醜さなどが浮かび上がる不思議な魅力のある作品でした。
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