オールトの雲
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オールトの雲

一穂ミチ/木下けい子

寂しいけれどきれいなお話

2021年6月19日
できることなら太陽の母親ような母親でありたい。それが無理でも流星の母親のような母親には絶対になるまい。そう決意させるほど、流星の母親の頼り甲斐のなさ、息子に対する執着はひどかった。父親から無断で流星を奪い、取り返されることを恐れる様子を息子に隠さず、それゆえに流星から父親を断ち切らせた。突然途絶えた父子の手紙のやり取りを確実に知っていただろうに何のケアもせず、挙げ句死を前にして尚父子の仲を取り持ちもしなかったなんて!流星のそばに太陽とその家族がいて本当によかった。
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