愛煉の檻 スペシャル・エディション
」のレビュー

愛煉の檻 スペシャル・エディション

犬飼のの/小山田あみ

一気読み

ネタバレ
2021年6月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作家さま買いです。
ほんの1〜2ページ試し読みをするつもりが一気に引き込まれ、久しぶりに眠れずにそのまま朝まで読んでしまいました。
明治〜昭和初期の雰囲気を残す、日本によく似た旭帝国でのお話。
人間と鬼とのハーフで旭日刀の刀匠(刀を作る鍛治師)の忍×アルメルスの軍人で中尉のミハイル。
忍の作る旭日刀をきっかけに出逢ったミハイルと忍が恋に落ちながらも色々な障害があるのが切ない。
陰間になった忍の想いやミハイルの葛藤、それ以上に妖刀鬼退治に関してのあれやこれやがとにかく切なくて。
毎回思うけど文章力が凄いです。
忍とミハイルとの初夜や甘くて激しくて蜜月の様な日々に安心していると早々に事件がぼっ発したり、逆にもうダメかと思ったのになんとか危機を脱したり。
ジェットコースターの様な展開で息つく暇もないくらい、ドキドキハラハラ。
特に後半(2巻にあたる)の「約束の恋刀」は妖刀鬼退治と2人の激しくも純粋な愛が描かれていて、どうしたら2人が幸せになれるのか、をずーっとぐるぐる考えながら読んでいました。
忍は好き好んでではないものの、必要に迫られて遊郭にいます。
遊郭ものということでモブとの絡みはあるのですが、具体的な表現は少なく忍が心を捧げてるのはミハイルだけ。
その辺りが嫌じゃない方にはぜひ読んでいただきたい。
読み進めるうちに何度か読んでるこちらが諦め掛け、バッドエンドなんだろうか、とも思いましたがハッピーエンドです。
イラストもどれも素敵ですが、表紙裏の2人の幸せそうな姿が1番好きです。読んで良かった。名作でした。
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