このレビューはネタバレを含みます▼
コメディというほどのユーモアは感じられず、死人はなく窃盗のみなのでミステリーというほどでもなく、群像劇というのは大袈裟な感じで、これはどういうカテゴリー?何に向かっているの?と、着地点を見たいという思いで読み進めました。読後感からいうとよかったです。長いドタバタの後に事件が解決しカップルが成立してめでたいねっていうお話でした。作者はユーモラスな筆致とキャラクターの活きのよさに定評のあるMM小説の人気作家らしいです。あまり面白さは伝わってきませんが、翻訳の問題というより日本とツボが違っていたり、ニュアンスが伝わらないのかなと思います。ニューヨークのアートシーンやケータリング、美容、アクターなどの、~事情が書かれていて興味深く、主人公の家族の関係がイタリア系の移民3世とか4世ですが結びつきが強くてよかったです。続編が書かれているそうですが、続きは翻訳されないのでしょうか。この本で相関図が頭の中に入ったので楽しめるのは次からっていう気がします。キャラに愛着が湧きました。エロは海外ものにしては結構エロかったです。犯人が最後までわからない(私だけ?)のもよかったです。
2013年2月 挿絵あり。