鬼の棲処【特別版】(イラスト付き)
」のレビュー

鬼の棲処【特別版】(イラスト付き)

栗城偲/コウキ。

うーーん

ネタバレ
2021年6月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ あとがきで筆者がお話しされている通り、登場人物の名前が主人公の「夜」しか出てきません。
御伽噺に倣った、との事ですがそれでちゃんと人物が把握出来て不自然さを感じさせずに読ませてしまうのはさすが!と思いました。
ですが、夜を助けた第一王子と第二王子のキャラがどうも腑に落ちなかった。
優しく強く冷静で賢い良い人?と思った第一王子が、途中から夜に勝手に狂って横暴になるのが受け入れがたくて(愛情はあっても不器用とか言葉足らずなだけではなく、あれは横暴。自分勝手だし)。
第二王子は元々粗雑なイメージだったけど、途中の嫌な感じと後半の代わりように同じ人とは思えないというか、性格や何を考えてるのか読めなすぎて違和感が強かった。
夜はとてもいい子で純真で色恋や人と関わらずに暮らしてきた弊害か感情の機微に鈍くてかわいいです。
ハピエンだし王子もほんとは2人とも良い人なのだけどね。
ちゃんと両想いになってからの甘い空気は心地よいし、ラストの過去エピソード(種明かし)と後日談は良かったのに残念です。
それよりも夜が生まれ育った閉鎖的な島に住む、幼なじみの村長の息子の方が一貫性があって人間味を感じられました。
あと夜は本物の「鬼」ではなく、黒髪黒眼を持つ者を忌み嫌っていた島で「人ならざるモノ」として呼ばれていた呼称です。
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