身代わり婚前旅行 策士な御曹司とウィーンの甘い夜
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身代わり婚前旅行 策士な御曹司とウィーンの甘い夜

山野辺りり/駒城ミチヲ

初恋拗らせカップル

ネタバレ
2021年6月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 総合商社御曹司27歳×大学同窓生27歳。入学式で偶然席が隣り合わせになり、選択したゼミやサークルも重なって自然と話す機会が増え、仲良くなっていった二人。異性の友達がいなかったヒロインにとって、気さくに話ができる彼は貴重な存在だった。ヒーローは学業・家柄・性格・容姿全てに秀で、モテない訳がない完璧な人間。彼への気持ちが遅い初恋と自覚した四年生の初夏。『友達としか思ってない相手に色目を使われると気持ちが悪い』ーーゼミ仲間との会話を立ち聞きしてしまった彼女は自分の気持ちを封印することを決めた。それから五年、社会人になった今でも月に一度は二人は顔を会わせていた。リストラが決まり、友達から彼が令嬢と婚約したニュースを聞かされて落ち込んでいるとヒーローが家にやって来た。双方の親が勝手に進める縁談相手の駆け落ちに手を貸してほしいと頼まれ、一緒に海外旅行へ行くことになる。初日から同部屋で過ごして同衾すること、名前呼びすることなどリクエストされる度にアワアワしちゃうヒロインが可愛い。酔っ払った彼女に無自覚で煽られた結果、ヒーローの自制心が瓦解し甘い夜を過ごす。相手の真意が分からないまま、初キスからその先まで一気に経験しちゃった彼女の動揺は気の毒なほど。その日を境に熱く求めあい甘く切なく激しい夜を過ごす二人。旅行終盤になって巨大なツリーの下で彼女に長い片想いを告白するヒーロー。仲の良い友達から恋愛感情があると告白されたら気持ちが悪いだろうし、関係が壊れるのが怖くて伝えられなかったーー。二人の思考がまるで同じなのにはビックリしたけど、だから九年間にも渡っての両片想いだったのかと納得してしまった。入学したての頃から彼女に夢中で、異性として意識してくれるま、ずっと近くにいて待ってた一途な彼にキュンとした。彼女が恋に落ちたのは同じじゃなかったのかと気落ちしかける彼に、自覚したのは遅いけど自分も入学直後から好きだったとちゃんと伝える彼女。昔立ち聞きしてしまった話もヒロイン以外の女性に言い寄られるのは迷惑で、同じゼミの人だった場合ヒロインに誤解されたら困るという意味だった。どこまでいってもヒロイン至上主義な良い男。一緒の未来を約束し日本に帰国し、三週間後には親の承諾を勝ち取り、愛する彼女の元へ戻ってきた。囲い込みが成功しラブラブ生活に入ったヒーローの手腕はお見事の一言に尽きる(笑)
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