インザケージ
」のレビュー

インザケージ

左藤さなゆき

ぞくっとした

ネタバレ
2021年7月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 衛司の陽に対する恋情は執拗で逸脱していると思います。全部ほしいなんて無理。確かに陽を好きだけど人に奪われるのが嫌で駄々を捏ねる子供のよう‥実際北園(いつも倒れるって仮病?)を優先する時に見せる陽の反応を期待していた訳で。好きな人を放ってまで優先しなければならないとしたらその好きな人は「一番」ではない。
陽は家族から愛されず世間から邪魔にされ、好きだった廉司が突然消えてしまい衛司の言葉を刷り込まされ続け、衛司を好きになるも辛くても淋しくても隠された存在の身で、本心を言えない子になってしまったようで痛々しかったです。
一目で魂の番と判った陽を番にするため、嫌悪でしかない一族や全てを棄て、陽だけが知らない冷酷さで陽だけを手に入れるために誰も口出しできない地位に上りつめる廉司。陽以外何もいらない陽だけがいればいい、陽が自分だけを求め必要とすればいい‥陽へこれ以上ない執着と溺愛を寄せる思慕にぞくっとしました。廉司との再会が陽の心を解放し、自分は汚れや隠れなければならないのではない、愛される存在だと思えたようでよかったです。廉司に番われ溺愛される陽‥でも本当はイアンの思うように陽に囚われ愛狂の渦に嵌まったのは廉司でしょうね。
広告?オススメ?から読みましたがよかったです。
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