このレビューはネタバレを含みます▼
何度も読み返しました。恋愛以上に、過酷な体験に傷ついた宇佐美の成長と再生の物語であったと思います。肉親の死をどう受け入れていくかは人それぞれですが、10年以上経って、母の自分に対する愛情を認識できたことに、救われる思いがしました。
また、宇佐美と葛城の関係以上に市瀬に対する宇佐美の感情が印象的でした。体で引き止めてもいいほど執着しているのなら、それは恋愛感情とどう違うのか・・・やや未消化な印象を受けましたが、それが余計に引きつけられました。
宇佐美の兄はその後どうなったのだろう、離婚した後、義理のお母さんはどんな人生をたどったのだろう、子どもの時に接した山下さんは?と登場人物一人ひとりのその後が気になりました。続編の埋葬計画も是非読んでみたいです。