五臓六腑の恋【単行本版(電子限定描き下ろし付)】
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五臓六腑の恋【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

トリメ

五臓六腑に沁みわたる

ネタバレ
2021年7月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 現在連載中の『愛し方、ヘタすぎかよ!』が面白くて、作者様買いです。

多額の借金を抱えながら、細々と営む食堂店主のいちろ。仕事終わりのホスト達にうんざりしながらも、手抜きをしない。
苦手と思うホスト達の騒がしさから引き気味のいちろですが、ナンバー1の誠一をはじめ、彼らホストにも、客の求める最高のもてなしをする仕事の誇りを持っている。水商売だからといって軽んじるものではないよね。誠一達の仕事に向き合う姿勢を知ってから、いちろの態度も軟化して…

いちろの誇り、誠一の誇り、互いを認め尊重出来る関係の変化と共に、また違う感情が芽生えていく過程がいい。
ゲイである事、多額の借金を抱えてる事、店を守りたいいちろの切実な思い。あらゆる事をひっくるめて受け止めようとした誠一が、誰よりもカッコいいんです。

自身のホストの限界に悩みながら、決心しきれない気持ちもわかります。ただ単に年齢的に上になる事が死活問題に響いてくるし、その上で健康被害となると尚更苦しい立場です。実際、若いホストの肝機能障害はよくある事ですが、仕事優先で通院は続きません。リアルな話だなぁと思います。
『天職はひとつじゃない』はホントにいい言葉。
互いを認めあって、支えあって、好きな仕事が出来たら言うことなし!
お互いにいい男に出会ったよね。
食堂に来てるお客さんが、二人の関係を勝手に想像する腐女子、腐男子になってて笑えました。

『愛し方、ヘタすぎかよ!』も相手を認めて尊重する、という点では共通していて素敵です。
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