窓はまだ開かない
」のレビュー

窓はまだ開かない

風樹みずき

開いた窓の先には・・

ネタバレ
2021年7月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 設計事務所の比田と、建築事務所の深見との「理想の家」づくりを通して繋がるラブ。
深見が電車で痴漢にあったところを比田に助けられたエピから始まり、そこから偶然にも仕事関係で再会・・。ズバッと物言う比田に少し怯えながらも、デザイナーとして「家」への想いを語る姿に段々惹かれていく深見・・・。
とにかくタイトルがもう素敵でしたね~・・・。ノンケの深見は彼女もいて、家庭を持つことが普通に幸せと考えてる・・そんな中、知れば知るほど中身が素敵な、しかも男の比田に惹かれていく・・・ちょっとづつ心を許していく深見の心情を「窓」に例えて言うならば、窓は少しづつ開いていったのか・・・。全開になった時、色んな気持ちが吹っ切れて、柔らかな風が吹いてきた・・・・そんな感じのお話しでした。
彼女と結局別れたものの、それはきっと比田のせいじゃなく・・彼女にはおそらく比田には話した、深見の寂しかった家族との過去を話していない・・・そんな風に思うのでした。

作家さんの表現の仕方と文章の作り方、素敵でしたね~♪「人の行動にはすべてなんらかの理由がある」っていうのが比田の持論として出てくるのですが、とても印象に残るセリフでした。戸惑いながらも徐々に進んでいく2人の「理想の家」は、どんなだったのだろう?

他、「白い檻」「アントールドラブ(「白い檻」に収録)」の続きも収録されています。特に「アントールドラブ」は割と「この先どうなるの?」っていう感じで終わっていたので、その続きが読めて嬉しかった♪

受が受らしい、かわいい感じの正統派BLなイメージの作品でした。
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